愛車といっても自転車のお話です。
6月、新しい自転車をお迎えし愛車とお別れしました。
愛車とは20年近い付き合いで、既に10年前にも乗り換えを検討したものの性能的に見て乗り換え先は修理費用の倍以上の金額でないと安心できないという判断でパーツ交換と修理でどうにか使い続けました。
しかし交換不能なフレームのサビはどうしようもなく、事故を起こす前にお別れを済ませようと決めました。
さて、ここで少し地形のお話。
私の住む国分寺にはハケがあります。
ハケとは国分寺崖線とも呼ばれ、言ってしまえばくそやばい崖とそこを移動する坂道があります。
ハケからは水が涌き出ておりハケの下には野川も流れていますが、一方でハケの上は井戸を掘るにもめちゃくちゃ深くしなければならなかったり少し低いところから出てきてる仙川もろくに水が流れていなかったりと、そのようなかなり分厚い地層の境目です。
話を自転車に戻します。
私の元々の愛車はブリヂストンのラクッションで、これは鉄製の十字フレームの真ん中をぶった切ってヒンジとサスペンションをつけたフレームが特徴です。
鉄製は重いうえ、可動部分はどうしても強度が落ちるのでそれを補う為に更に重くなります。
結果、軽めの電動自転車と並ぶ重量級の車体となる訳です。
サスペンションは段差等に対してかなり有効ですが、坂道に対しては無力です。
ここは新車選びにおいてかなり重要なポイントで、軽量なアルミフレームのミニベロが候補となりました。
さて、ここで次の問題。
アルミフレームのミニベロでトップチューブが無くてサスペンション付きの自転車は折り畳みしか無いという現実にぶち当たりました。
結果、めちゃくちゃ妥協してブリヂストンのマークローザを選ぶ事に。
めちゃくちゃ妥協した候補はいくつかあったのですが、『点灯虫めちゃくちゃ便利』っていうのが決め手になりました。
点灯虫っていうのはブリヂストン車についているライトで、前輪の車軸に内蔵された発電機で電池いらず、しかも暗くなると自動点灯でスイッチいらずというズボラ御用達のスーパーシステムです。
正直、この時点では試乗してみた感覚でサスペンション無しでも慣れるだろうと思っていました。
慣れませんでした。
乗れば乗るほど、時間が経てば経つほど、サスペンションの無い振動が気になってきます。
10年前に乗り換えの相談をした時に『ラクッションからの乗り換えは10万以上かけた方がいい』と言われていた理由がわかりました。
今回はミニベロを選んだので10万以上でも候補が無かったというのもあり、カスタムに追加で出す事は事前に考えていました。
しかしそれにしてもラクッションの構造ではあまり関係無かった筈のハンドルへの衝撃も気になって…というのはまあラクッションの時よりハンドルを下げられるからと下げて前重心で乗ってるせいですが。
ここまで来るともう呪いです。 ラクッションの呪い。
しかも納車と同時に引き取ってもらったせいで乗り比べて納得する事も出来ない。
思い出の中の愛車のイメージはどんどん大きくなり、現実にどんどん不満を感じてしまうのです。
ここまで来ると当然ながら後付けのサスペンションを検討します。
しかしフロントサスペンションをつけるとフロントキャリアやら何やら色々と交換が必要になりますが、マークローザはフロント周りがかわいいのであまり弄りたくありません。
それにミニベロの低重心も数センチの差とはいえ損なわれてしまいます。
どこかに何か良い手段は……
買っちゃった。
サスペンション付きのステムです。
自転車本体の重量は軽減できませんがその上に乗る人体と比べれば自転車はかなり軽いものです。
なので本体にサスペンションをつけるのと比べても大きな差にはならないかと思いまして。
サドル側は選択肢が多いのでまだ考えますが、ステムはかなり選択肢が少なく価格帯も同じくらいだったのでサクッと選びました。
サイズの合うハンドルポストとシムも合わせて購入し、交換……
グリップ外れねぇ!
マークローザはグリップを外さないとステムを外せないのですが、ゴムか何かのグリップを嵌め込んでいるだけの構造なので嵌め込みだけで外れないほどきつく嵌め込まれています。
何とか隙間を作ってシリコンオイルスプレーの先端を突っ込み噴射して外しました。
左側が外れれば純正のステムからも外せます。
いやグリップ切断しろよと聞こえてくる気もしますが新品のグリップ切るのはなんか違うと思いまして。
何だかんだでステムの交換を終え、乗ってみました。
快適!
腕周りへの振動や衝撃がかなり軽減されました。
という訳でサスペンション後付けの効果はあったので、後はサドル側にも取り付けて更に快適にするしかありません。
サドル側は選択肢が多いのでよく考えて選ぶ事にします。
やっぱりラクッション当時の価格とはいえ4万円くらいだったのは安すぎたのでは?
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